『Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち』という本がマジで最高だったので紹介します!
おすすめポイント
この本がオススメなのは、
何度も降り掛かってくる困難に立ち向かうエンジニアの姿がとにかくリアル
ということにつきると思います。
具体的には以下のようなことが書かれてあるのが、めちゃくちゃリアルでした。
- あくまで事業をビジネス上の価値を出すためにエンジニアリングをフル活用するんだというファイティングポーズがリアル
- 一筋縄ではいかないレガシーシステムを倒すための戦略の立て方、ビジネス的観点に立脚した判断がリアル
- 0から立ち上げたビジネスが大きくなっていくのに伴って起こる問題を何度も何度も乗り越えていく姿がリアル
それぞれのおすすめポイントに対して、感想を書きたいと思います!
あくまで事業をビジネス上の価値を出すためにエンジニアリングをフル活用するんだというファイティングポーズがリアル
この本を通じて印象的だったのが、登場するエンジニアの方々が、真剣にビジネスに取り組んでいる姿勢です。(副題に偽りなし)
これはぼくらYOJOが目指しいてるエンジニア像と一緒だなぁと思って、共感しまくりました。
事業をエンジニアリングするために奮闘する姿がシンプルにカッコイイ。
昔、こんなツイートをしたことがあるんですが、VOYAGE GROUPが目指しているのもエンジニアが事業を引っ張っていける楽園なのだろうと感じました。
(https://twitter.com/ueeeeniki/status/1389675538277490688?s=21)
一筋縄ではいかないレガシーシステムを倒すための戦術の立て方=ビジネス的観点に立脚した判断がリアル
エンジニアなら誰でも馴染みのある「技術的負債」という言葉。
どの企業も成長の過程で技術的な絶対に溜まっていくはずなのに、案外、どのように返済していったのかの事例は少ない。
ともすれば、ガッツリ作り変えた(フルリプレイ、ビックリライト)成功事例ばかりが華々しく語られます。
対して、3章『VOYAGE MARKETING―20年級大規模レガシーシステムとの戦い』で描かれている技術的負債との闘いは、非常に地味で、根気のいる仕事です。
でも、だからこそ、とてもリアルに感じました。
実際、キャッシュリッチでエンジニアリング的にもパワーのある一部の企業を除けば(特にYOJOのようなスタートアップではそうですが)、ほとんどの企業は現実と折り合いをつけながら何とか技術的な負債を「やりくりしていく」しかないのではないでしょうか。
VOYAGEグループでの事例が面白いのは、限られたリソースの中で、どうやってビジネスのスピードを落とさず(当然、止めず)、技術的な負債を返済していくのかの判断がリアルに描かれている点です。
0から立ち上げたビジネスが大きくなっていくのに伴って起こる問題を何度も何度も乗り越えていく姿がリアル
これは、自分自身の経験も踏まえて、めちゃくちゃ共感しました。
ビジネスとして順調に成長すればするほど、訪れる困難。何度越えてもやってくる荒波の数々。
例えば、ゲーム攻略サイト「神ゲー攻略」について書かれた4章『VOYAGE Lighthouse Studio―数十万記事のメディアをゼロから立ち上げる』は、エンジニアリングだけではなく、その時のビジネス的な判断も同時に書かれていて、ビジネス書としても面白い内容です。
ビジネスを0から一緒に立ち上げているかのような追体験をさせてもらっているかのよう。
何よりも面白いと思ったのは、起こる問題の数々への解決策にビジネス的な観点が忘れられていない点です。
ユーザーが求めているのはこうだから、ビジネス的にこうあるべきだから、技術的にはこうしなければならなかったという、明確な軸があった上で判断されている様子が非常に面白く感じました。
おまけ
特にオススメの章
個人的に一番面白かったのは、第3章『VOYAGE MARKETING―20年級大規模レガシーシステムとの戦い』です。
関連する本の紹介
第6章『データサイエンス―エンジニアによるビジネスのための機会学習』でインタビューイーをされている西林さんは、『仕事ではじめる機械学習』という本の共著者でもあります。
機械学習をビジネスの現場に活かす難しさ、活かすためのノウハウについて書かれた日本語本の中では最高の本だと個人的には思っているので、ご興味のある方は是非ご一読してみるといいかなと思います。